子どもは虫歯ゼロ! でも大人は…?

虫歯や歯周病は予防できる時代です。

そんな時代に先進国であり、医療も充実して豊かなはずの日本で虫歯や歯周病で歯を失う人が後を絶ちません。

予防の大切さを訴えたり、定期検診を受けるよう勧めることは随分前から行われています。

その結果、子どものう蝕(虫歯)保有率は著しく減少してきました。

青色が「う蝕なし」の割合です。

平成17年の時点でも虫歯ゼロは6割近くいます。

平成28年では8割以上を占めます。

    

しかし!

子どものう蝕保有率は下がっても、大人のう蝕保有率はまったく変わっていません。

平成17年の時点で6割虫歯ゼロの子ども達が、成人した平成28年には概ね2割にも満たないくらいになっています。

緑・紫色が「未治療の歯がある」割合です。

他の年代でも虫歯などの治療を受けていない人の割合はそこまで減少せず、平成28年時点でも4割近く放置されていることがわかります。

     

ここから見えてくるのは

予防の大切さは知ったから自分の子どもだけでも虫歯にさせたくない

でも自分は忙しいからどうしようもなくなったら歯医者に行こう

という考え方になってしまっているということです。

この考え方が親から子へ伝わってしまっていることで、頑張って虫歯ゼロで育てた子ども達が、10年、20年後には自分と同じように子どもを優先させて自分を後回しにして虫歯だらけになっているのです。

この悪い連鎖を食い止めることが本当の意味での「予防」だと思います。

まずは半年以上歯科医院を受診していない方は、検診を受けてください。

子どもがいるご家庭では、できれば一緒に検診を受けてください。

「何歳になっても、虫歯が無くても歯医者に行く」

その姿を子ども達に見せてあげてください。

両親だけではなく、子ども達に接するすべての人たちが歯を大切にすることを行動で見せていれば、「大人になっても虫歯ゼロ」の未来が夢ではないと思います。  

    

※使用した画像は以下より引用しました。

厚生労働省 「う蝕罹患の現状」平成30年9月12日 医政局歯科保健課 歯科口腔保健維新室